苦情解決の仕組み
1 苦情解決の仕組みと目的
(1)苦情への適切な対応により、福祉サービスに対する利用者の満足感を高めることや早急な
虐待防止対策が講じられ、利用者個人の権利を養護するとともに、利用者が福祉サービ
スを適切に利用することができるように支援する。
(2)苦情を密室化せず、社会性や客観性を確保し、一定のルールに沿った方法で解決を進める
ことにより、円滑・円満な解決の促進や事業者の信頼や適正性の確保を図る。
2 苦情解決体制
(1)苦情解決責任者
苦情解決の責任主体を明確にするため、施設長、理事等を苦情解決責任者とする。
(2)苦情受付担当者
①サービス利用者が苦情の申し出をしやすい環境を整えるため、職員の中から苦情受付
担当者を任命する。
②苦情受付担当者は以下の職務を行う。
ア 利用者からの苦情の受付。
イ 苦情内容、利用者の意向等の確認と記録。
ウ 受付た苦情及びその改善状況等の苦情解決責任者及び第三者委員への報告。
(3)第三者委員
苦情解決には社会性や客観性を確保し、利用者の立場や特性に配慮した適切な対応
を推進するため、第三者委員を設置する。
①設置形態
ア 事業者は、自らが経営するすべての事業所・施設の利用者が第三者委員を活用
できる体制を整備する。
イ 苦情解決の実効性が確保され客観性が増すのであれば、複数事業所や複数法人
が共同で設置することも可能である。
②三者委員の要件
ア 苦情解決を円滑・円満に図ることができるものであること。
イ 世間からの信頼性を有する者であること。
③人数
第三者委員は、中立・公正性の確保のため、複数であることが望ましい。その際、即応
性を確保するため個々に職務に当たることが原則であるが、委員相互の情報交換等
連携が重要である。
④専任方法
第三者委員は、経営者の責任において選任する。
⑤職務
ア 苦情受付担当者から受付た苦情内容の報告聴取。
イ 苦情内容の報告を受けた旨の苦情申出人への通知。
ウ 利用者からの苦情の直接受付。
エ 苦情申出人への助言。
オ 事業者への助言。
カ 苦情申出人と苦情解決責任者の話し合いへの立ち会い、助言。
キ 苦情解決責任者からの苦情に関わる事案の改善状況等の報告聴取。
ク 日常的な状況把握と意見傾聴。
⑥報酬
第三者委員への報酬は中立性の確保のため、実費弁償を除き出来る限り無報酬とする
事が望ましい。ただし、第三者委員の設置の形態又は報酬の決定方法により中立性が
客観的に確保できる場合には、報酬を出す事は差し支えない。尚、かかる費用について
は運営費等より支出することは、差し支えないものとする。
3 苦情解決の手順
(1)利用者への周知
施設内への掲示、パンフレットの配布等により、苦情解決責任者は、利用者に対して、苦
情解決責任者、苦情受付担当者及び第三者委員の氏名・連絡先・苦情解決の仕組みに
ついて周知する。
(2)苦情の受付
①苦情受付担当者は、利用者等からの苦情を随時受け付ける。尚、第三者委員も直接苦
情を受付ることができる。
②苦情受付担当者は、利用者からの苦情受付に際し、次の事項を書面に記録し、その内
容について苦情申出人に確認する。
ア 苦情の内容。
イ 苦情申出人の希望等。
ウ 第三者委員への報告の要否。
エ 苦情申出人と苦情解決責任者の話し合いへの第三者委員の助言、立会いの要否。
③ウ及びエが不要な場合は、苦情申出人と苦情解決責任者の話し合いによる解決を図る。
(3)苦情受付の報告・確認
①受付担当者は、受付た苦情はすべて苦情解決責任者及び第三者委員に報告する。
ただし、苦情申出人が第三者委員への報告を明確に拒否する意思表示をした場合を除く。
②投書など匿名の苦情については、原則として受付ない。ただし、参考内容として保管する。
③第三者委員は、苦情受付担当者から苦情内容の報告を受けた場合は、内容を確認する
とともに、苦情申出人対して報告を受けた旨を通知する。
(4)苦情解決に向けての話し合い
①苦情解決責任者は苦情申出人との話し合いによる解決に務める。その際、苦情申出人
又は苦情解決責任者は、必要に応じて第三者委員の助言をもとめることができる。
②第三者委員の立ち会いによる苦情申出人と苦情解決責任者の話し合いは、次のとおり行
う。
ア 第三者委員による苦情内容の確認。
イ 第三者委員による解決案の調整、助言。
ウ 話し合いの結果や改善事項等の書面での記録と確認。
尚、苦情解決責任者も第三者委員の立ち会いを要請することができる。
(5)苦情解決の記録、報告
苦情解決や改善を重ねることにより、サービスの質が高まり、運営の適正化が確保される。
これらを実効あるものとするため、記録、報告を積み重ねるようにする。
ア 苦情受付担当者は、苦情受付から解決・改善までの経過と結果について書面に記録
する。
イ 苦情解決責任者は、一定期間毎に苦情解決結果について第三者委員に報告し、必要
な助言を受ける。
ウ 苦情解決責任者は、苦情申出人に改善を約束した事項について、苦情申出人及び第
三者委員対して、一定期間後、報告する。
(6)解決結果の公表
利用者によるサービスの選択や事業者によるサービスの質や信頼性の向上を図るため、
個人情報に関するものを除き「事業報告書」や「広報誌」等に実績を掲載し、公表する。
平成13年 4月 1日作成
誕生院保育園 苦情解決担当者
・北村やす子
・白仁田春子
・小森みどり